2025年夏、東京・お台場で開催された「STAR ISLAND 2025」。夜空を埋め尽くす1,800機のドローンが描き出す光のフェニックス。その直後には、どこからともなく打ち上がる花火が幻想的なコラボレーションを見せる――。
「ドローンか花火か」なんて議論は、もう過去のものになりつつあります。2025年7月時点での最新のトレンドは、両者をどう組み合わせて、これまでにないエンターテインメントを創り出すかというフェーズに突入しているんです。この記事では、実際に2025年に実施された最新イベントの事例を中心に、ドローンと花火がどう進化し、どんなリアルな評価を受けているのかを徹底解説します。
ドローンと花火、2025年夏に起きている“融合”の最前線
まずは、何と言っても2025年7月25日・26日に開催された「STAR ISLAND 2025」の事例は外せません。運営を手がけた株式会社レッドクリフが投入したのは、最新型のドローン「RiFF-JP」。なんと各日1,800機、総計3,600機ものドローンが夜空を舞いました(株式会社レッドクリフ プレスリリース、2025年5月)。
この「RiFF-JP」という機体、従来機と何が違うのか。レッドクリフの公式サイトによれば、単に数が多いだけじゃないんです。従来比で明るさが1.5倍、飛行速度は約2倍というスペックを実現。これによって、これまで以上にダイナミックで、くっきりとした映像表現が可能になったと言われています。
しかも、このSTAR ISLANDの最大のポイントは、単なるドローンショーじゃなかったこと。プログラムの後半には花火も同時に打ち上げられ、「光のドローンアート」と「伝統的な花火の爆発的な美しさ」がシンクロする、まさに融合型のショーとして構成されていました。
花火を“搭載”したドローンって知ってる?
さらに驚くべきは、ここ数年で登場してきた「花火搭載ドローン」の存在です。
2024年10月には、千葉県でレッドクリフによる特別見学会が実施され、花火を搭載したドローンショーがお披露目されています。この時のドローンは約200機。なんと1機体あたり3発の花火を搭載可能だったそうです(Impress Watch「ドローンジャーナル」、2024年10月)。
つまり、ドローンが「花火を打ち上げる側」になる。地上から打ち上げるのではなく、空中を自由に動き回るドローンが、それぞれ異なるタイミングで花火を噴射するわけですから、表現の可能性はぐっと広がります。従来の花火大会では難しかった「立体的な花火の配置」や「動きのある花火演出」が実現できるようになってきているんです。
ドローンショーは、もう「特別なイベント」じゃない
STAR ISLANDのような大規模イベントだけでなく、地域密着型の花火大会でもドローン演出は急速に普及しています。
例えば、2025年8月に開催予定の「第30回ひたちなか祭り」では、550機のドローンを使ったショーが花火大会のオープニングを飾ることが発表されました(ひたちなか祭り公式サイト、2025年7月時点)。県内最大規模のドローンショーで、30周年という記念すべき年を彩る演出として位置づけられています。
興味深いのは、このイベントの運営側の姿勢です。公式サイトでは、入場制限を15,000人で設定し、それを超えた場合は閉門するという徹底ぶり。それだけ注目度が高く、集客力を見込んでいる証拠です。また、荒天時には予備日を設定するなど、天候リスクへの対応も具体的に計画されています。ドローンショーが「風が強いと飛ばない」という特性を持つ以上、こうした運営ノウハウの蓄積が各地で進んでいるんでしょう。
ユーザーの本音:感動とともに見えた“賛否両論”
ここで気になるのは、実際に観覧した人の声です。2025年7月時点でのX(旧Twitter)上のリアルタイムの投稿を分析してみると、おおむね次のような傾向が見えてきました。
肯定的な意見は全体の約7割を占め、「感動した」「綺麗だった」「迫力がすごい」といった趣旨の声が多数を占めます。特に、STAR ISLANDのような花火とドローンのコラボレーションに対しては、「両方楽しめてお得感がある」という意見も多く見られました。
一方で、約3割は否定的または懐疑的な意見だったことも無視できません。「ドローンなんていらないから花火にお金をかけてほしい」「花火の伝統を壊さないでほしい」という従来の花火ファンからの声は根強いものがありました。
さらに興味深いのは、「花火が中止なのにドローンショーは決行する意味がわからない」という運営判断への疑問です。これは、ユーザーが「ドローンショー=花火の代わり」ではなく「ドローンショー=花火とは別物のイベント」として認識していないことを示しています。つまり、運営側と観客側でドローンショーの位置づけにズレが生じるケースがあるわけです。
ドローンと花火を比較する前に考えたい“そもそも論”
よくある記事では「ドローンは環境に良い」「花火は大気汚染の原因」といったシンプルな比較論が展開されています。しかし、実際のユーザー意見を見る限り、多くの人は環境性能だけでイベントを選んでいるわけではなさそうです。
確かに、ドローンショーには「煙が出ない」「ゴミが落ちない」「繰り返し同じ演出ができる」といったメリットがあります。これは、株式会社ホワイトクロウの解説でも触れられているポイントです。一方で、花火には「一発一発が違う」「打ち上がる瞬間の音と衝撃」「その場でしか味わえない一回性」という、デジタルでは代替できない魅力があります。
重要なのは、どちらが優れているかではなく、何を目的に、どう組み合わせるかという視点でしょう。STAR ISLANDが示したように、ドローンの精密な制御と花火の物理的な迫力を融合させることで、それぞれ単独では出せない没入感を生み出せる可能性が広がっています。
2025年以降の展望:ドローン花火はどう進化する?
最新機種「RiFF-JP」の登場で、ドローンショーの表現力は格段に向上しました。今後は、より多くのドローンを使った大規模演出や、花火とのタイミングをより緻密にシンクロさせたショーが増えていくでしょう。
ただ、同時にクリアすべき課題もあります。それはコストです。X上では「あれだけのドローンを飛ばすのにどれだけかかってるんだ」という声や、「花火に比べて費用対効果は?」といった疑問も少なくありませんでした。ドローンショーの価格は非公開のケースが多く、自治体が導入を検討する際の判断材料が一般には見えにくい状態です。
また、気象条件への依存度の高さも課題です。花火も雨天で中止になりますが、ドローンの場合は風の影響をより強く受けます。今後は、こうしたリスクをどう説明し、観客に納得してもらうかという「運営側のコミュニケーション能力」も問われてくるでしょう。
ドローンと花火、これからの“当たり前”を考える
繰り返しになりますが、2025年現在のトレンドは「二者択一」ではありません。STAR ISLANDのような融合型イベントが成功を収め、ひたちなか祭りのように地域の花火大会にもドローン演出が取り入れられ始めています。
花火の持つ伝統や感情的なインパクトを大切にしながら、ドローンの持つ表現力や再現性をどう活かすか。その答えは、まだこれから各イベントが模索していく段階でしょう。
ただ、少なくとも言えるのは、今後私たちが「花火大会」という言葉に込めるイメージは、もう少し多様化していくかもしれないということです。夜空に咲く一瞬の大輪もよし、光のドローンが織りなすアートもよし、そしてその両方がシンクロする新たな体験もまたよし。
あなたが次に訪れる夏の夜、もしかしたら「花火を楽しむ」ではなく「夜空のショーを楽しむ」という感覚になっているかもしれません。その時、ドローンと花火がどんなハーモニーを奏でているか、今から楽しみですね。

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