2026年4月からの講習料金改定で、一等・初学者コースは最大99,000円の値上げとなりました。とはいえ、教育訓練給付制度(最大10万円)や自治体の補助金を活用すれば、実質負担を約32万円台まで抑えられるケースもあります。この記事では、2026年7月時点での最新料金に加え、多くの人が見落としがちな身体検査や申請手数料などの「隠れコスト」、そして更新費用を含めた10年間の総コストまで、ドローン資格にかかるお金のすべてを徹底解説します。
ドローン資格費用は2026年4月に大きく改定されました
まず、いちばん最初に押さえておくべき最新情報からお伝えします。
ドローンの国家資格「無人航空機操縦者技能証明」の講習事務手数料が、2026年4月1日付で改定されました。実施主体である公益社団法人無人機研究開発機構(JUIDA)が公式に発表している内容です。
具体的な改定内容は以下のとおりです。
| コース | 2025年度(~2026年3月) | 2026年度(2026年4月~) | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 一等・初学者(必須講習) | 363,000円 | 462,000円 | +99,000円 |
| 一等・経験者(必須講習) | 198,000円 | 220,000円 | +22,000円 |
| 二等・初学者(必須講習) | 99,000円 | 110,000円 | +11,000円 |
(出典:公益社団法人無人機研究開発機構 2026年3月30日公表)
一等・初学者コースの値上げ幅が特に大きく、約27%のアップです。2025年以前の情報を参考に予算を組んでいた方は、この時点で計画の見直しが必要になるでしょう。
なお、JUIDAの公式ページには2025年度と2026年度の両方の料金が併記されており、改定前後の比較ができるようになっています。ネット上の情報は改定前の古いものがまだ多く残っているので、情報収集の際は公開日を必ずチェックしてください。
そもそも「ドローン資格」とは?費用を語る前に制度を整理
費用の詳細に入る前に、簡単に制度をおさらいしておきましょう。
2022年から始まった「無人航空機操縦者技能証明」は、航空法に基づく国家資格です(出典:Wikipedia 2025年10月6日更新)。等級は「一等」と「二等」に分かれています。
- 一等:有人地帯(人がいるエリア)での飛行が可能。より高い操縦技能が求められる。
- 二等:有人地帯での飛行は不可。ただし、補助者がいれば有人地帯での飛行も可能になる。
また、操縦できる時間帯や範囲には制限があり、「夜間飛行」や「目視外飛行」、そして「機体重量25kg以上」の飛行を行うには、それぞれ限定解除という追加の講習と審査を受ける必要があります。
この限定解除をどの範囲まで取得するかによって、総費用は大きく変わってきます。後ほどオプション別の料金もまとめますので、ご自身の目的に合わせてチェックしてみてください。
2026年度のドローン資格費用を徹底解説(JUIDA基準)
それでは、2026年度の講習事務手数料を等級・コース別に詳しく見ていきましょう。
一等無人航空機操縦士の講習費用
| コース種別 | 必須講習(基本) | 夜間追加 | 目視外追加 | 夜間+目視外 |
|---|---|---|---|---|
| 初学者コース | 462,000円 | +77,000円 | +33,000円 | +99,000円 |
| 経験者コース | 220,000円 | +77,000円 | +33,000円 | +99,000円 |
(出典:公益社団法人無人機研究開発機構 2026年度料金表)
経験者コースが初学者より242,000円も安いのがわかります。すでにドローンの操縦経験がある方は、この区分に該当するかどうかを各登録講習機関に確認してみるとよいでしょう。
二等無人航空機操縦士の講習費用
| コース種別 | 必須講習(基本) | 夜間追加 | 目視外追加 | 夜間+目視外 |
|---|---|---|---|---|
| 初学者コース | 110,000円 | +33,000円 | +23,000円 | +44,000円 |
| 経験者コース | 要問合せ | +33,000円 | +23,000円 | +44,000円 |
(出典:公益社団法人無人機研究開発機構 2026年度料金表)
二等の経験者コースはJUIDAの公式ページでも「要問合せ」となっており、公開されている数値がありません。実際に申し込む際は、各登録講習機関に直接確認する必要があります。
ちなみに、3人以上が同時に申し込むと受講料が10%割引になる制度もあります(JUIDA公式サイトより)。会社やサークルで複数人同時に取得を検討しているなら、この割引を活用する手ですね。
講習料だけじゃない!「隠れコスト」の完全リスト
ここからがこの記事の核になる部分です。多くの情報サイトが「講習受講料」だけで終わっていますが、実際にはそれ以外にもお金がかかるのです。
SNSやQ&Aサイトを見ると、「講習料金以外に身体検査や申請費用が別途かかることを後で知って予算オーバーした」という趣旨の投稿が複数確認されています。事前に把握しておかないと、痛い目を見るポイントです。
1. 身体検査費用(別途)
国家資格の取得には、所定の身体検査に合格する必要があります。この検査は登録講習機関が指定する医療機関で受けることになりますが、その費用は公表されていません。医療機関によって料金が異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
2. DIPS申請費用(別途)
技能証明の申請は「DIPS」(電子申請システム)を使って行います。このシステムの利用には手数料がかかりますが、具体的な金額は公表されていません。更新時にも再度かかる点に注意です。
3. 技能証明書交付手数料(別途)
資格取得後、実際に証明書を受け取る際にも手数料が発生します。一等の場合は登録免許税も別途必要になるとされています(出典:Wikipedia 2025年10月6日更新)。
4. 修了審査の再審査料
講習後の実地審査に不合格だった場合、再審査を受けるには追加料金がかかります。
- 一等:再審査1回につき22,000円
- 二等:再審査1回につき11,000円
(出典:公益社団法人無人機研究開発機構 2026年度料金表)
再審査は回数が増えるごとに費用もかさみます。しっかり練習して一発合格を目指したいところです。
これらの「隠れコスト」は、各スクールのパンフレットに含まれていないことも多いため、見積もり段階で必ず確認するようにしてください。総額ベースで比較しないと、後で「思ってたより高かった」という事態になりかねません。
スクールによって料金はここまで違う(実例比較)
JUIDAが定める「講習事務手数料」は、登録講習機関がJUIDAに支払う手数料の基準です。実際に受講者がスクールに支払う金額は、これに各スクールの運営費や付帯サービスが上乗せされるため、スクールによって大きく異なります。
実例①:KDDIスマートドローンアカデミー
KDDIスマートドローンアカデミーでは、一等国家資格コースが教育訓練給付制度の対象になっています。受講料は30万円〜115万円とコースによって幅があり、一般教育訓練給付(後述)を利用すると、受講料の20%(上限10万円)が給付されます(出典:KDDIスマートドローンアカデミー公式 2026年6月4日)。
実例②:あいおいニッセイ同和自動車研究所(静岡裾野校)
静岡県裾野市にある同研究所では、二等無人航空機操縦士取得コース(目視内・昼間限定解除込み)を提供しています。
- 経験者コース:20万円(税込)
- 未経験者コース:35万円(税込)
(出典:あいおいニッセイ同和自動車研究所公式 2025年7月9日)
こちらも実地審査合格後、別途学科試験・身体検査・申請費用がかかる点にご注意ください。
このように、同じ「二等」でもスクールによって料金設定が異なります。複数のスクールに見積もりを依頼し、何が含まれていて何が別途なのかを細かく比較することが、コストを抑える近道です。
限定解除で費用はどう変わる?オプション別の増額をチェック
限定解除を取得するかどうかで、最終的な費用は大きく変わります。JUIDAの2026年度料金をもとに、一等・初学者のケースでシミュレーションしてみましょう。
| 取得する限定解除 | 講習費用合計 |
|---|---|
| 必須講習のみ(昼間・目視内) | 462,000円 |
| +夜間 | 539,000円 |
| +目視外 | 495,000円 |
| +夜間+目視外 | 561,000円 |
(出典:公益社団法人無人機研究開発機構 2026年度料金表)
夜間と目視外の両方を取得すると、必須講習だけのときより約10万円高い計算になります。
ただし、業務で夜間飛行や目視外飛行が必要な場合を除き、最初は必須講習のみで取得して、後から限定解除を追加するという選択肢も可能です。一度に全部取らなければならないわけではないので、用途に合わせて段階的に取得するのが賢いやり方でしょう。
更新費用も把握しておこう(2026年は「更新元年」)
ここまで新規取得の費用に注目してきましたが、資格を維持するための更新費用も忘れてはいけません。
ドローンの国家資格は有効期間が3年です。2022年に制度がスタートしたため、2026年は最初の更新対象者が発生する「更新元年」にあたります。
2026年1月15日には、KDDIスマートドローンが国家資格更新講習の受付を開始し、同年2月20日から全国13拠点で実施されることが発表されました(出典:ドローンジャーナル 2026年1月15日)。
更新費用の実例
- KDDIスマートドローンアカデミー:一等更新18,700円、二等更新14,300円(いずれも座学のみ・75分/50分)(出典:KDDIスマートドローン公式 2026年6月13日)
- 日本無人航空機免許センター(JULC):二等更新16,500円(出典:JULC公式 2026年初頭時点)
スクールによって更新料金にも差があります。KDDIとJULCを比べると、二等で2,200円の差がついていますね。
更新時にも身体検査やDIPS申請費用が別途かかる点は、新規取得時と同じです。3年ごとにこのコストが発生することを、ライフサイクルコストとして捉えておきましょう。
10年間でいくらかかる?更新費用を含めた総コスト試算
それでは、新規取得費用と更新費用を合算した10年間の総コストを試算してみます。一等・初学者(必須講習のみ・補助なし)のケースです。
| 項目 | 金額 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 新規取得(必須講習) | 462,000円 | 1年目 |
| 更新① | 18,700円 | 4年目 |
| 更新② | 18,700円 | 7年目 |
| 更新③ | 18,700円 | 10年目 |
| 10年間合計 | 518,100円 | — |
(出典:JUIDA 2026年度料金、KDDI更新講習料金を基に試算)
※身体検査・申請費用など別途費用は含んでいません。これらを加えるとさらに増えます。
「資格を取って終わり」ではなく、維持にもお金がかかるという視点を持っておくことが大切です。業務で使い続けるのか、それとも一度取ってスキル証明として持っておくのか。目的に応じて、更新するかどうかの判断も変わってくるでしょう。
実質負担を抑える!教育訓練給付制度と自治体補助金
ここまで「高いな…」と感じた方もいるかもしれません。でも、実は使える制度を使えば、実質負担をかなり抑えられます。ここが他の記事と大きく差がつくポイントです。ぜひ最後まで読んで、ご自身の状況に当てはめてみてください。
教育訓練給付制度(最大10万円給付)
KDDIスマートドローンアカデミーの一等国家資格コースは、厚生労働省の一般教育訓練給付制度の対象です(出典:KDDIスマートドローンアカデミー公式 2026年6月4日)。
この制度を使うと、受講料の20%(上限10万円)が給付されます。対象となるのは一等の以下の6コースです(受講料30万円〜115万円)。
462,000円の講習料なら、92,400円が給付される計算です。実質負担は369,600円になります。
ただし、この制度には以下の条件があります:
- 雇用保険の被保険者期間が一定以上あること
- 対象講座として認定されていること(すべてのスクール・コースが対象ではない)
申し込む前に、自分の受講予定コースが対象かどうかを必ず確認してください。
自治体による補助金(兵庫県の例)
自治体によっては、ドローン資格取得費用を補助する制度を設けているところもあります。
例えば兵庫県では、2025年9月8日に「無人航空機操縦者技能証明」取得費用の2分の1(上限5万円)を補助する制度を発表しました(出典:兵庫県公式プレスリリース 2025年9月8日)。条件として、災害対応協力者として登録することが求められます。
対象経費には、入学金・講習受講料・試験手数料・証明書交付手数料などが含まれます。
教育訓練給付+自治体補助を併用した場合の実質負担
両方の制度を活用できた場合の実質負担を試算してみましょう(一等・初学者・必須講習)。
| シナリオ | 講習費用 | 給付・補助 | 実質負担 |
|---|---|---|---|
| 補助なし | 462,000円 | 0円 | 462,000円 |
| 教育訓練給付のみ | 462,000円 | -92,400円 | 369,600円 |
| 自治体補助金のみ | 462,000円 | -50,000円 | 412,000円 |
| 両方活用 | 462,000円 | -92,400円 -50,000円 | 319,600円 |
※教育訓練給付と自治体補助の併用可否は自治体ごとに異なるため、事前確認が必要です。この試算はあくまで「併用可能な場合」のシミュレーションです。
最大で約14万円も負担を軽減できる可能性があるのです。資格取得を検討している方は、お住まいの自治体に同様の補助制度がないか、ぜひ調べてみてください。
よくある質問:ユーザーから寄せられるリアルな疑問
実際に資格取得を検討している方から寄せられる疑問を、SNSやQ&Aサイトの傾向からピックアップしました。
Q. 初学者と経験者の区分はどうやって決まるのですか?
明確な基準はスクールによって異なる部分があり、「問い合わせても明確な回答が得られなかった」という声も見られます。基本的には、これまでのドローン操縦経験や資格の有無などを総合的に判断されます。該当しそうな方は、各登録講習機関に直接問い合わせることをおすすめします。
Q. 支払いは一括じゃないとダメですか?
スクールによっては分割払いやローンに対応しているところもあります。料金体系はスクールごとに異なるので、見積もり時に確認してみてください。
Q. 補助金はどこで調べられますか?
お住まいの都道府県や市町村のホームページで「ドローン 補助金」「無人航空機 資格 補助」などと検索してみてください。ただし、すべての自治体に制度があるわけではなく、あっても期間限定のことが多いです。
まとめ:ドローン資格費用は「総額」で判断しよう
ドローン資格の費用を考えるとき、講習料だけを見て判断してはいけません。
- 2026年4月に一等・初学者で最大99,000円の値上げが発生した
- 講習料以外に身体検査・申請手数料・登録免許税などの「隠れコスト」が別途かかる
- 限定解除の有無で総額は大きく変わる(最大で約10万円の差)
- 更新費用を含めると、10年間で50万円超になる可能性がある
- 教育訓練給付制度と自治体補助金を活用すれば、実質負担を最大約14万円抑えられる
ドローン資格は決して安い買い物ではありません。しかし、「何にいくらかかるのか」を正確に把握し、使える制度を最大限に活用すれば、予算計画はぐっと現実的になります。
この記事で紹介した「2026年度最新料金」「隠れコスト」「更新費用」「補助金・給付金」の4つの視点をすべて押さえたうえで、複数のスクールに見積もりを取って比較してみてください。あなたにとって最適な選択ができることを願っています。

コメント