「ドローンの免許を取りたいけど、『無線』の免許も必要なの?」
「国家資格と無線の資格、何が違うの?」
こうした疑問をお持ちの方へ、最初に結論をはっきりお伝えします。
ドローンを飛ばすには「無人航空機操縦士(国家資格)」と「無線従事者資格(電波法)」の2種類の免許・資格が関係します。そして、2025年12月をもって大きなルール変更がありました。
具体的には、これまで民間のドローン資格でも受けられていた飛行許可申請の優遇措置が終了し、ビジネスでドローンを飛ばすなら国家資格(一等または二等無人航空機操縦士)が事実上必須になりつつあります。さらに2026年7月には改正無人機等飛行禁止法が成立し、飛行禁止エリアが従来の半径約300メートルから約1キロメートルに拡大されました(出典:ウィキペディア「無人航空機」、2026年7月)。
この記事では、こうした2025年〜2026年の最新ルール変更を踏まえた上で、あなたが今取るべき「ドローン免許」と「無線資格」の関係性を、実務目線で整理していきます。ネット上の古い情報に惑わされずに済むよう、ぜひ最後までご覧ください。
まず押さえておきたい「ドローン免許」と「無線資格」の根本的な違い
「ドローン免許」という言葉だけで検索すると、実はまったく別の2つの資格が混ざって出てきます。これを最初に整理しておかないと、後で「あれ?何が違うの?」という混乱が起きてしまいます。
1. 無人航空機操縦士(国家資格)
飛行そのものの技術や知識を問われる資格です。国土交通省が所管しています。目視外飛行や夜間飛行、人口集中地区(DID)での飛行など、リスクの高い飛行を行う際に必要になります。
2. 無線従事者資格(電波法)
ドローンが電波を使って飛ぶための「無線機」を正しく扱うための資格です。総務省が所管しています。ドローンの機種や使う周波数帯によって、この資格の要・不要が変わります。
この2つはセットで必要になることもあれば、片方だけ必要なこともあります。「ドローン免許を取ったから無線のことは大丈夫」というわけではなく、またその逆も同様です。自分のドローンの使い方に合わせて、どちらを取るべきか判断する必要があります。
無線資格が「必要」になるケースと「不要」なケース
ここからは、多くのユーザーが最も知りたい「そもそも無線の資格は自分に必要なのか」という点を、具体的に整理していきます。
無線資格が不要なケース
市販のホビー用ドローンや、いわゆる「トイドローン」と呼ばれる製品の多くは、2.4GHz帯という周波数を使い、かつ出力が10mW以下であれば、電波法上無線資格は不要です。
例えばDJIの「DJI Mini 4 Pro」や「DJI Air 3S」など、一般消費者向けに販売されている多くの完成品ドローンは、技適マークを取得しており、かつこの出力範囲内に収まるように設計されています。これらの機種を購入して「そのまま」飛ばす分には、無線資格は基本的に必要ありません。
ただし、これはあくまで「無線資格」の話です。飛行させる場所や方法によっては、国土交通省への許可・承認申請が別途必要になる場合があります。
無線資格が必要なケース
一方で、以下のようなケースでは無線従事者資格が必須になります。
FPV(一人称視点)ドローンを飛ばす場合
多くのFPVドローンは映像伝送に5.8GHz帯を使用します。この周波数帯はアマチュア無線の帯域に割り当てられており、5.8GHz帯を使うには第四級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。
産業用・業務用ドローンで5.7GHz帯を使う場合
測量や点検、農業など業務用途で使われるドローンの中には、5.7GHz帯を使用するものがあります。この場合は第三級陸上特殊無線技士以上の資格が求められます。
ドローンの無線機を改造・自作する場合
市販の完成品ではなく、自分で受信機や送信機を組み替えたり、出力を上げる改造を施したりする場合も、無線資格が必要になるケースがあります。
具体機種で考える:DJI Avata 2はどうなの?
ここで、FPVドローンの人気機種「DJI Avata 2」を例に考えてみましょう。この機種は映像伝送に「O4」というデジタル伝送方式を使っており、周波数帯は2.4GHz帯と5.8GHz帯の両方を使います。ただし、技適マークを取得した完成品として販売されており、工場出荷時の設定では出力も法規制内に収まっています。そのため、この機種をそのままの状態で使用する分には、無線資格は不要というのが一般的な解釈です。
ただし、この機種で「業務用空撮」を行う場合は、無線資格とは別に国家資格(無人航空機操縦士)や飛行許可申請が別途必要になります。
このように、「同じFPVドローンでも機種によって無線資格の要否が変わる」 というのが実態です。「FPV=必ずアマチュア無線が必要」というわけではないので、機種ごとに確認することが大切です。
結局どっちの無線資格を取ればいいの?第三級陸上特殊と第四級アマチュアの違い
「やっぱり無線資格を取ろう」と思った方のために、ドローンに関係する代表的な2つの無線資格を比較します。
第四級アマチュア無線技士(趣味・FPV向け)
FPVドローンの映像伝送(5.8GHz帯)を使うための資格です。試験はCBT(コンピュータベースの試験)方式で、2科目、正答率60%以上で合格です(出典:高山無線「ドローンに必要な資格」)。アマチュア無線のため、金銭的な対価を得る業務には使用できません。受験料は約5,100円、養成課程に通えば10,000〜20,000円程度で取得可能です。
第三級陸上特殊無線技士(業務・産業向け)
産業用ドローンの5.7GHz帯を使用するための資格です。業務利用が可能で、国家試験(CBT)と養成課程(1日修了)の2通りがあります。国家試験の受験料は約5,600円、養成課程では約20,000円程度です(出典:boundary「ドローンに必要な資格」、2026年1月)。合格率は7〜8割と比較的高いとされています(出典:ロイヤルドライビングスクール広島)。
ここで多くのユーザーが勘違いしがちなポイントがあります。それは「趣味だから第四級アマチュアでOK」と思い込んでしまうことです。実は、SNSやQ&Aサイトを見ていると、「趣味でFPVを飛ばしているけど、YouTubeに動画をアップして広告収入を得るようになったら業務扱いになるの?」という質問が複数見受けられます(Yahoo!知恵袋、Xにて確認、2026年8月)。
この答えは、電波法上のアマチュア無線の定義に立ち返ると、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」とされています。つまり、YouTubeの広告収入を目的とした投稿や、対価を得る空撮業務は「業務利用」と見なされる可能性が高いと考えるべきです。グレーゾーンを避けたいなら、最初から第三級陸上特殊無線技士を取得するのが安全です。
ここが変わった!2025年〜2026年のドローン関連法改正で何が起きたか
この記事で最も伝えたいのが、この最新法改正の影響です。ネット上の多くの解説記事はこの変更を反映しておらず、古い情報がまだ多く出回っています。
変更点①:2025年12月、民間資格の優遇措置が完全終了
これまでは、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)やDJIアカデミーなどの民間資格を持っていると、国土交通省への飛行許可申請の一部が簡略化される「優遇措置」がありました。
しかし、2025年12月をもってこの優遇措置は終了しました(出典:ヒューマン・ブレイン ドローンスクールコラム、2026年)。今後、ビジネスでスムーズに飛行許可を得るには、国家資格である一等または二等無人航空機操縦士の取得が事実上必須になりつつあります。
つまり、無線資格とは別の話ですが、「2025年以前の情報を信じて民間資格だけを取ると、許可申請で想定外の手間がかかる」 というリスクが生じています。
変更点②:2026年7月、飛行禁止エリアが拡大
改正無人機等飛行禁止法の成立により、重要施設周辺の飛行禁止エリアが、従来の半径約300メートルから約1キロメートルに拡大されました(出典:ウィキペディア「無人航空機」、2026年7月)。
これにより、無線資格とは直接関係ありませんが、今まで「飛ばせていた場所」が突然飛ばせなくなるという事態が発生しています。「この場所でFPVを飛ばしたい」と思っても、飛行計画を1キロメートル圏外に立て直す必要が出てくるかもしれません。
リアルな口コミから見える「無線資格あるある」な落とし穴
SNSやQ&Aサイトでのユーザーの声を集計すると、ドローンの無線資格に関していくつかの共通した「困りごと」 が見えてきました(X、Yahoo!知恵袋、ドローン専門掲示板にて2026年8月確認)。
- 混乱系の声: 国家資格と無線資格を混同して「ドローンの免許を取ったのに無線の免許も必要って言われた」という相談が複数見られる。
- グレーゾーン系の声: YouTube収益化を始めたら「趣味」と「業務」の境界がわからなくなり、アマチュア無線で大丈夫なのか不安になる。
- 開局申請でつまずく声: 第四級アマチュア無線の資格を取った後、「開局申請」という手続きがあることを知らず、スムーズに飛ばせずに困っている。
特に「開局申請」 は盲点です。無線資格を取得しただけではドローンに搭載する無線機を「合法」にできません。総務省に「無線局の開設」を申請し、コールサインを取得する必要があります。この手続きには書類作成や数週間の審査期間がかかることもあり、多くのユーザーがここで「思ったより時間がかかる」と感じているようです。
ドローン無線資格の「取得判断フローチャート」|いま自分は何を取ればいい?
ここまでの情報を整理して、あなた自身がどの資格を取ればいいかを判断するための指針をまとめます。
ステップ1:自分が飛ばすドローンの周波数帯を確認する
- 2.4GHz帯(10mW以下)のみ→ 無線資格は不要(ただし飛行場所による許可は別途確認)
- 5.8GHz帯(FPV映像伝送など)→ 第四級アマチュア無線技士を検討(業務目的なら第三級陸上特殊)
- 5.7GHz帯(産業用ドローン)→ 第三級陸上特殊無線技士を検討
ステップ2:飛行目的を確認する
- 完全な個人の趣味(収益化なし)→ 第四級アマチュア無線技士でOK
- 業務・仕事・収益化あり → 第三級陸上特殊無線技士を選ぶ(アマチュア無線は業務利用不可)
ステップ3:飛行レベルを確認する(国家資格の必要性)
- レベル1〜3(目視内飛行など)→ 国家資格は不要(ただし許可申請は別途)
- レベル4(有人地帯での目視外飛行)→ 一等無人航空機操縦士が必須
- 目視外飛行や夜間飛行、DIDでの飛行を行う → 二等無人航空機操縦士以上が推奨
2026年現在の現実的なアドバイスとして、ビジネスでドローンを使う予定があるなら、「第三級陸上特殊無線技士」+「二等無人航空機操縦士」のセットが、現時点で最も汎用性が高い組み合わせと言えるでしょう。
よくある質問「Q&A」でさらに解消!無線資格のギモン
Q:2.4GHz帯のドローンなら無線資格は絶対に要らないの?
A:工場出荷状態で技適マークがあり、出力が10mW以下なら不要です。ただし、改造や出力調整をした瞬間に資格が必要になる可能性があります。
Q:第四級アマチュア無線の資格を取ったら、すぐにFPVドローンを飛ばせるの?
A:いいえ。資格を取った後、総務省への「開局申請」 という手続きが別途必要です。無線機ごとに申請し、コールサインを取得してから運用が可能になります。この手続きを忘れるユーザーが多く、SNSでも「資格取ったのに飛ばせない」という声が複数見られました。
Q:DJI Avata 2は無線資格いらないって聞いたけど、本当?
A:完成品として販売されている状態なら、技適マークも取得しており出力も規定内ですので、そのまま使う分には無線資格は不要です。ただし、バッテリーやプロペラの交換はともかく、無線機の出力を上げる改造は絶対にしないでください。
まとめ:古い情報に惑わされず、2026年以降のルールで正しく準備しよう
ドローンの「免許」と「無線」の関係は、一見すると複雑に見えますが、自分のドローンの周波数帯と飛行目的を明確にすれば、取るべき資格は自ずと見えてきます。
2026年現在、特に意識すべきは以下の3点です。
- 2025年12月に民間資格の優遇措置が終了したため、ビジネス利用では国家資格(無人航空機操縦士)の取得が事実上重要になっている。
- アマチュア無線(第四級)と陸上特殊無線(第三級)は業務利用の可否が異なる。収益化や仕事で使うなら第三級を選ぶ。
- 資格取得後も「開局申請」が残っている。トータルのスケジュールを考えて準備を始める。
ドローンのルールはまだまだ変化の途中です。「ネットで見た情報」だけで判断せず、国土交通省や総務省の公式発表を直接確認する習慣をつけておくと、思いがけないトラブルを防げます。
あなたがドローンを飛ばす目的は何でしょうか?趣味なのか、仕事なのか。その目的に合った正しい資格を選び、安全で合法的なフライトを楽しんでください。

コメント