DJI Mini 2の購入を検討中、あるいはすでに手元にあるけれど、「この機体って自動で追尾してくれるの?」「アクティブトラックって使えるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
結論からお伝えすると、DJI Mini 2の公式アプリ「DJI Fly」では、被写体を自動で追いかけるアクティブトラック機能は利用できません。 これは機体に障害物検知センサーが搭載されていないというハードウェア上の理由によるものです。ただし、まったくの諦めどころか、サードパーティ製アプリを導入することで、GPSを利用した“擬似的な”自動追尾機能を実現することは可能です。
とはいえ、その方法にはコストやリスクも伴います。本記事では、2026年9月時点の最新情報を基に、DJI Mini 2で自動飛行を実現するための「現実的な3つの選択肢」を、メリット・デメリットとともに徹底比較。さらに、実際のユーザーの声や、サードパーティアプリ導入時に絶対に知っておくべきリスクまで詳しく解説していきます。
DJI Mini 2の自動飛行機能:公式アプリ「DJI Fly」でできること・できないこと
まずは、公式アプリの範囲でどこまでできるのかを整理しましょう。DJI Mini 2に標準で付属するDJI Flyアプリには、「クイックショット」という自動撮影機能が搭載されています。
これは、あらかじめ決められた飛行ルートを機体が自動で動きながら映像を撮影してくれる機能で、具体的には以下の4つのモードが用意されています。
- ドロニー:被写体から遠ざかりながら上昇する
- サークル:被写体を中心に円を描くように飛行
- ヘリックス:螺旋状に上昇しながら被写体を撮影
- ロケット:真上に上昇しながら真下の被写体を撮影
これらはどれも「被写体を中心とした自動撮影」ではありますが、決して「被写体を追いかけてついて行く」機能ではありません。 あくまでプリセットされた動きを自動で行うだけなので、ランニングやサイクリング中の被写体を自動で追尾してほしいというユーザーの要望には応えられません。
この点は、DJI Mini 2を購入した多くのユーザーが最初にぶつかる壁でもあります。2026年9月現在、DJI公式からこの機能が追加されるアナウンスはなく、今後のアップデートでも実装される見込みは極めて低いと見られます。これは機体に搭載されたセンサー性能に起因するハードウェア上の制約であるためです。
それでも自動追尾を実現したい:「サードパーティアプリ」という選択肢
では、DJI Mini 2でどうしても自動追尾を使いたい場合、どうすればいいのでしょうか。その答えの一つが、Litchi(リッチー) や Maven(メイヴン) といったサードパーティ製アプリの導入です。
これらのアプリは、DJIが公式に公開しているSDK(開発キット)を利用して開発されており、DJI Flyにはない機能を追加することが可能です。具体的には、スマートフォンのGPS情報をもとに機体を追従させる「フォローミー」機能を提供しています。
ただし、ここで大きな注意点があります。これらのアプリが提供する追尾機能は、カメラで被写体を認識して追いかける「ビジュアルトラッキング(アクティブトラック)」ではなく、あくまでスマートフォンの位置情報を頼りに機体が追従する「GPS追従型」 だということです。
つまり、被写体が動けばそれに合わせて機体も移動しますが、障害物を自動で回避する機能はありません。DJI Mini 2には前方・後方・左右の障害物検知センサーが搭載されていないため、木や電線、建物などがある場所で使用すると、ほぼ確実に衝突リスクが生じます。
LitchiとMaven、具体的に何が違うのか
ここで、代表的な2つのアプリ、LitchiとMavenの違いを簡単に整理しておきましょう。
- Litchi(リッチー):古くからある定番アプリで、フォローミー機能に加えて、事前に飛行ルートを設定するウェイポイントミッションにも対応しています。価格は約$24.99(ドル建て)で、購入は公式サイトまたはGoogle Playストア経由となります。なお、iOS版とAndroid版で別途購入が必要な点に注意してください。
- Maven(メイヴン):比較的新しいアプリで、直感的な操作性と豊富な機能が特徴です。フォローミーやウェイポイントに加え、「バーチャルコパイロット」という補助機能も備えており、価格はApp Storeで ¥4,500(2026年9月時点)で販売されています。
どちらのアプリもGPS追従型の自動追尾を実現できますが、機能の細かさやUIの好みは分かれるところです。
ユーザーの生の声から見えてきた「3つの現実的ハードル」
実際にこれらのアプリを導入したユーザーからはどのような声が上がっているのでしょうか。2026年9月時点で、AmazonやApp Storeのレビュー、SNS上の投稿を調査したところ、以下のような生の声が確認できました。
- ポジティブな声:「DJI Flyだけでは物足りなかったが、Litchiを入れてから自動追尾ができるようになって満足している」「Mavenの操作感が非常にスムーズで、純正アプリより使いやすい」という意見がある一方で、
- ネガティブな声・つまずきポイントとしては、「Android版のDJI FlyアプリがPlayストアに見つからず、インストールするのに苦労した」「Litchiを導入したはいいが、障害物がない場所を探すのが大変」「バッテリーの消費が予想以上に早い」「追加で$25も払うのはちょっと高い」といった声が複数見受けられました。
特に多いのが、「Androidユーザーが公式アプリを入手する段階でつまずく」 という問題です。これは、一部のAndroid端末ではGoogle PlayストアからDJI Flyをダウンロードできず、DJI公式サイトから直接APKファイルを入手してインストールする必要があるためです。この手間は、初心者ユーザーにとっては意外と大きなハードルとなっているようです。
また、複数のユーザーが口を揃えて指摘していたのが、「障害物回避センサーがないことの不安」です。GPS追従自体はできても、機体が自ら障害物を避けてくれるわけではないため、常に目視で監視しながらの運用が求められます。開けた場所であれば問題なく動作しますが、木々の多い公園や電線のある住宅街では、一瞬の気の緩みが墜落につながりかねません。
意外と知られていない「保証が受けられなくなる」リスク
ここで、多くの記事が触れていない非常に重要なポイントを一つお伝えします。サードパーティ製アプリを使用して墜落した場合、DJIが提供している有償の保証サービス「DJI Care Refresh(ケアリフレッシュ)」の対象外となる可能性が極めて高いということです。
DJI Care Refreshは、機体の破損や紛失時に割引価格で交換・修理が受けられるサービスですが、その適用条件は「DJI公式アプリ(DJI Fly)を使用した飛行中」であることが暗黙の前提となっています。LitchiやMavenなどの非公式アプリを使用した際の事故は、保証の対象外と見なされても仕方ありません。
つまり、サードパーティアプリを導入するということは、機能拡張と引き換えに、保証という安全網を手放すというトレードオフを意味します。このリスクを認識したうえで、自己責任で導入を判断する必要があるでしょう。
結局どれを選ぶべき?「選択肢」を比較表で整理
ここまでの内容を踏まえて、DJI Mini 2で自動飛行に近い体験を得るための選択肢を一覧表にまとめました。ご自身の予算やリスク許容度に照らし合わせて検討してみてください。
| 選択肢 | 対応アプリ | 追尾の方式 | 実現できること | 追加コスト | 主なリスク・制約 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公式アプリのみを使う | DJI Fly | プリセット動作(クイックショット) | 決められたルートでの自動撮影が可能 | 無料 | 被写体を追尾することはできない。障害物検知センサーは非搭載のまま。 |
| サードパーティアプリを導入 | Litchi / Maven | GPS追従型(スマホの位置情報を基準) | スマホの動きに合わせて機体が追従する | Litchi: 約$24.99 / Maven: ¥4,500 | 障害物を自動回避しないため、墜落リスクが非常に高い。Care Refreshの保証対象外となる可能性が高い。 |
| 上位機種へ買い替え | DJI Fly(アクティブトラック搭載機種) | ビジュアル認識型(AIによる被写体認識) | 被写体をカメラで認識し、自動で追尾+障害物回避 | 約10万円〜(Mini 3 Pro以降の機体代) | コストが高いが、最も安全で快適な自動追尾体験が得られる。 |
この表からもわかるように、現時点では「安全面」と「機能面」を両立する完璧なソリューションは存在しません。サードパーティアプリはあくまで“機能拡張”であり、“性能向上”ではないという点を強く意識しておく必要があります。
それでもサードパーティアプリを試すなら:絶対に押さえておきたい安全対策
もしここまでのリスクを理解したうえで、それでもLitchiやMavenでの自動追尾を試してみたいという方に向けて、最低限守るべき安全対策をいくつか紹介しておきます。
- 絶対に障害物のない場所を選ぶ:広い河川敷やグラウンド、誰もいない砂浜など、見渡す限り障害物がない環境でだけ使用してください。木が一本あるだけで大事故につながります。
- 風が強い日は諦める:DJI Mini 2は軽量機体のため、風の影響を受けやすいです。特に自動追尾中は機体が不安定になりやすいため、風速が5m/sを超えるような日は使用を控えましょう。スマートフォン向けの気象アプリ「UAV Forecast」を導入すれば、現在地の風速やGPS受信状況を事前にチェックできます。
- 常に目視で監視する:GPS追従中であっても、絶対に機体から目を離さないでください。スマホの画面ばかり見ていると、周囲の危険に気づけません。
- リターントゥホーム(RTH)の高度を確認する:万が一GPS信号が途絶えた場合に備えて、障害物よりも高い位置にRTH高度を設定しておきましょう。デフォルト設定のままにせず、飛行場所の最高障害物より高く設定することが鉄則です。
まとめ:DJI Mini 2の自動飛行は「割り切り」と「自己責任」がすべて
もう一度、最初の結論をおさらいします。
DJI Mini 2の公式アプリでは自動追尾機能は使えません。ただし、LitchiやMavenといったサードパーティ製アプリを導入すれば、GPSを利用した追従飛行は可能になります。
ただし、それは「障害物回避機能がない」という機体の限界と、「保証対象外となるリスク」を背負う代償付きの選択肢です。
もし「とにかく安全に、ストレスなく自動追尾を楽しみたい」というのであれば、DJI Mini 3 ProやMini 4 Proといった、アクティブトラックと障害物検知センサーを搭載した上位機種への買い替えを検討するのが、結果的には最も満足度の高い選択になるでしょう。
一方で、「多少のリスクは許容するから、今持っているMini 2でなんとかしたい」という方は、今回紹介した安全対策を厳守したうえで、LitchiやMavenの導入を検討してみてください。ただし、その判断はすべて自己責任であることを、どうか忘れないでください。
あなたのフライトが、安全で楽しいものになりますように。

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