DJI Mini 4 ProでRAW(DNG)撮影した写真をパソコンで開いたとき、「なんだかJPEGよりボヤけてる」「全体が青っぽい」「中心だけやけに明るい……」そんな違和感を感じたことはありませんか?
まず結論からお伝えします。これらの問題の大半は、カメラの故障や撮影ミスではなく、使用している現像ソフトウェアの「RAWエンジン」の設定が原因です。 特に特定のソフトでは、Mini 4 ProのDNGファイルに対して独自の補正がうまく適用されず、ビネット(周辺減光)や色かぶりが発生することが確認されています。この記事では、2026年8月時点の最新情報をもとに、ソフトウェアごとの正しい設定方法と、今すぐ試せる対処法を具体的に解説します。
DJI Mini 4 ProのRAW写真で起こる「3つの困りごと」
ユーザーフォーラムやQ&Aサイトでの報告を総合すると、Mini 4 ProのRAWに関する不満は以下の3つに集約されます。
- 画質のボヤけ・甘さ:JPEGと比較して明らかにシャープネスが低く感じる
- 青みがかった色かぶり:ホワイトバランスが意図と異なる方向にズレる
- 露出ムラ(中心部の過露出):画面中央が明るく、周辺が暗くなるビネット現象
これらの原因は、ソフトウェアがMini 4 ProのDNGプロファイルを正しく解釈できていないことにあります。特に問題が顕著なのが「Affinity Photo」と「RawTherapee」です。一方、Adobe Lightroomでは大きなトラブル報告が少なく、比較的安定して現像できます。
現像ソフト別「正しい設定」とトラブル対処法
それでは、主要な現像ソフトごとに、Mini 4 ProのRAWを正しく表示・編集するための設定を解説します。
Adobe Lightroom / Camera Rawを使う場合
互換性:公式対応済み
Lightroomは最も安定した選択肢です。特別な設定変更は不要で、DNGファイルをインポートするだけでAdobe標準のプロファイルが適用されます。2026年8月時点で、大きな互換性問題は報告されていません。
もし色味に違和感がある場合は、現像モジュールの「プロファイル」ブラウザから「Adobe Color」や「Adobe Landscape」などを選び直すと好みの仕上がりに近づけられます。
Affinity Photo 2(Macユーザー)を使う場合
互換性:対応しているがエンジン設定が必須
ここが最大の落とし穴です。Affinity Photo 2でMini 4 ProのDNGを開くと、「Serif Labs」エンジンがデフォルトで動作し、ビネットや青かぶりが発生することが2025年1月のフォーラム報告で確認されています。
対処法は非常にシンプルです。現像ペルソナ(Develop Persona)を開き、「基本」パネルの中にある「RAWエンジン」のドロップダウンメニューから、「Apple Core」 を選択してください。これだけで、適切なレンダリングに切り替わり、ビネットや色かぶりが解消されます。MacユーザーでAffinityをお使いの方は、まずこの設定を確認してみてください。
RawTherapee 5.10を使う場合
互換性:公式プロファイル未搭載のため注意
RawTherapeeは高機能なフリーソフトですが、Mini 4 Proに関しては注意が必要です。2024年3月に公開された開発トラッカー(Issue #6995)にて、DNG読み込み時に中心部が過露出するハロ現象が報告されています。公式のプロファイルがまだ搭載されておらず、これが原因と見られます。
現時点での確実な対処法は、RawTherapeeの使用を避けるか、DNGファイルを他のソフトに持ち込むことです。どうしてもRawTherapeeを使いたい場合は、今後のアップデート情報を注視することをおすすめします。
Adobe DNG Converterは使えるの?
インターネット上では「DNG Converterで変換すれば解決」という情報もありますが、こちらも注意が必要です。実際にAdobe DNG Converter バージョン17.1では、Mini 4 ProのDNGファイルを認識しないという報告が複数ユーザーから上がっています(2025年1月時点)。
この情報は2026年8月現在も確実な回避策とは言えません。最新バージョンで改善されている可能性もありますが、「DNG Converterに頼る」というワークフローは現時点では推奨できません。どうしても変換が必要な場合は、Lightroomに一度インポートしてから書き出す方法が確実です。
そもそもMini 4 ProのRAWはどこまで使えるのか? 高感度性能の実態
ソフトウェア設定の問題が解決したとしても、センサー自体の性能には限界があります。専門家による実測レビュー(JVN.photo、2025年9月)では、Mini 4 Proと後継機のMini 5 ProをISO別に比較したデータが公開されています。
このデータによると、Mini 4 ProのRAWファイルはISO 800を超えるあたりからノイズが顕著になり始め、ISO 6400ではシャドウ部のディテールが大きく損なわれることが確認されています。これは1/1.3インチセンサーという小型機の宿命であり、JPEGで撮影する際のノイズリダクションが効いた仕上がりに慣れていると、特に「劣化」として感じやすいポイントです。
つまり、Mini 4 ProのRAWはISO 100〜400程度の明るいシーンでの撮影を前提に使うのが実用的です。夜景や室内のような高感度が必須の場面では、RAWにこだわらず、JPEGのノイズリダクション効果を活用するのも一つの賢い選択肢と言えるでしょう。
ファームウェアアップデートの影響は?
DJIは定期的にファームウェアアップデートを公開しており、2025年11月5日付で v01.00.1100 がリリースされています(出典:Okinawa Drone)。リリースノートには「いくつかの既知の問題を修正」とありますが、RAW現像に関する具体的な画質改善が含まれているかは公表されていません。
とはいえ、カメラの挙動に影響を与える可能性は否定できません。もし現像時に予期せぬエラーや表示の乱れが発生する場合は、機体とRC(リモコン)のファームウェアが最新版になっているか確認しておくと安心です。
【比較表】主要現像ソフトの互換性と問題点まとめ
| 現像ソフトウェア | 互換性状況 | 既知の問題と対処法 | 情報出典(公開年) |
|---|---|---|---|
| Adobe Lightroom / Camera Raw | 公式対応済み | 大きな問題の報告なし。標準プロファイルが利用可能。 | フォーラム報告(2025年) |
| Affinity Photo 2(Mac) | 対応(エンジン依存) | Serif Labsエンジンでビネット・青かぶり発生。Apple Coreに切り替えで解消。 | フォーラム報告(2025年1月) |
| RawTherapee 5.10 | 未対応(プロファイル未搭載) | 中心部の過露出(ハロ現象)が発生。現時点では非推奨。 | GitHub Issue #6995(2024年3月) |
| Adobe DNG Converter v17.1 | 非対応(認識せず) | ファイルを認識しないケースが報告されている。回避策としては不確実。 | フォーラム報告(2025年1月) |
まとめ:DJI Mini 4 ProのRAWは「設定次第」で化ける
DJI Mini 4 ProのRAW写真に関する不満は、適切な現像設定を知らないために起こっているケースがほとんどです。まずは使っているソフトウェアの設定を見直し、特にAffinity Photoユーザーは「Apple Core」エンジンへの切り替えを最優先に対処してください。
また、小型センサーの特性として、高感度撮影には向かないという現実も理解しておく必要があります。ISO感度を抑えた明るいシーンでRAWのメリットを活かし、難しい条件ではJPEGやHDR撮影と使い分けるのが、この機種との上手な付き合い方です。
最後に、現像ソフトのアップデート情報は常に変わる可能性があります。2026年8月現在の情報として参考にしつつ、最新のリリースノートもチェックしながら、自分に合ったワークフローを見つけていってください。

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