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2026年4月改正で何が変わった?農業用ドローンの許可申請、条件次第で不要に。新旧ルールを徹底比較

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農業用ドローンを導入しようと考えたとき、最初に頭を悩ませるのが「許可申請」の壁です。「農薬散布をするには絶対に許可がいるんでしょ?」と思っている方も多いでしょう。実は、2026年4月1日からそのルールが大きく変わりました。

結論から言います。農業用ドローンを使った農薬散布は、原則として許可・承認は必要ですが、一定の厳しい条件を全て満たせば、承認申請が不要になりました。ただし、「誰でも無条件で不要になった」わけではありません。この記事では、2026年4月施行の最新ルールを軸に、従来の申請方法と比較しながら、自分がどちらのルートで飛行すべきかを判断できるロードマップをお伝えします。

これまでの記事の多くは「とにかく許可を取れ」という前提で書かれていましたが、今は「条件を満たせば申請不要」という選択肢が増えています。この新しい選択肢を正しく理解すれば、申請にかかる時間と手間を大幅に削減できる可能性があります。早速、中身を見ていきましょう。

2026年4月施行!農業用ドローンの承認が不要になる「新ルール」とは

2026年4月1日、国土交通省は航空法施行規則を改正しました(令和8年国土交通省令第〇号)。この改正で、農薬散布などの「物件投下」を伴う飛行について、特定の条件を満たす場合に限り、従来必要だった承認申請が不要になりました。

具体的には、以下の11の条件をすべて満たす飛行が対象です。

  1. 機体の総重量が25kg未満であること
  2. 国土交通大臣が定める基準に適合した機体(いわゆる「型式認証」を取得した機体)を使用すること
  3. 操縦者が適切な技能証明(国土交通省認定の講習修了など)を持っていること
  4. 飛行高度が地表・水面・農作物の上端から4m以下であること
  5. 自動操縦(プログラムされた経路に沿った飛行)により行うこと
  6. 所有者等が管理する農地・採草放牧地・森林等の区域内で行うこと
  7. 第三者に危害を及ぼすおそれがないこと
  8. 周囲の状況を確認できる体制がとられていること
  9. 緊急時に即座に飛行を中止できる措置がとられていること
  10. 物件の投下が確実に目的の場所に行われること
  11. その他、国土交通省が定める基準に適合すること

これらの条件は、航空法施行規則第236条の82第1項第2号イからルまでに定められています(国土交通省「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」令和8年4月1日改正)。

つまり、最新の型式認証取得機で、自分の畑の4m以下の高さを自動飛行させる場合は、わざわざ承認申請を出さなくても良いということです。ただし、この「申請不要」はあくまで承認申請(物件投下に関する許可)だけの話で、後述する機体登録や飛行計画通報は別途必要ですので、その点は注意してください。

そもそも「許可」と「承認」と「登録」の違いって何?

ここで一度、農業用ドローンを飛ばすために必要な手続きを整理しておきましょう。多くの記事がこれらをまとめて「許可」と呼んでいますが、実は3つのまったく別の手続きがあります。

機体登録(義務)

2022年6月から、100g以上のすべてのドローンは国土交通省への機体登録が義務化されました。登録には手数料がかかり、オンライン申請(DIPS2.0)の場合、運転免許証を使うと1,450円、マイナンバーカードを使うと900円、書類申請だと2,400円です(国土交通省 無人航空機登録ポータルサイトより)。登録しないで飛ばすと罰則の対象になります。

飛行許可・承認申請(原則必要、条件付きで不要)

航空法で定められた「特定飛行」に該当する場合、国土交通大臣の許可または承認が必要です。特定飛行とは、夜間飛行、目視外飛行、物件投下など6つの区分を指します。農業用ドローンによる農薬散布は「物件投下」に該当するため、これまでは必ず承認申請が必要でした。しかし、2026年4月の改正で、上記の条件を満たせば承認が不要になりました。

飛行計画の通報(義務)

飛行の際には、飛行日時の3時間前までに飛行計画をDIPS2.0で通報する義務があります。これは許可の有無にかかわらず、すべてのドローン飛行で必要な手続きです。

このように、「申請不要」と言ってもやらなくて良いのは「承認申請」だけであって、機体登録や飛行計画通報はこれまで通り必須です。「全部不要になった!」と勘違いしないように注意してください。

新旧ルール比較:何がどう変わったのか(早見表)

項目旧ルール(2026年3月まで)新ルール(2026年4月〜)
機体登録必須(変わらず)必須(変わらず)
物件投下の承認申請原則すべての農薬散布で必要条件を満たせば不要(※)
飛行計画の通報必須(変わらず)必須(変わらず)
承認不要の条件なし型式認証機・25kg未満・高度4m以下・自動操縦・管理者の農地内 など計11項目

※条件を一つでも満たさない場合は、従来通り承認申請が必要です。

特に大きな変更点は、「承認申請が不要になるケースが生まれた」という点です。ただし、申請が不要になるためには、型式認証を取得した機体を使わなければいけません。型式認証機一覧は国土交通省の公式サイトで公開されています(https://www.mlit.go.jp/koku/content/001989565.pdf)。

実は盲点?農薬散布で見過ごされがちな「農薬取締法」の壁

航空法の許可に気を取られがちですが、実はもう一つ、農業用ドローンならではの落とし穴があります。それは農薬取締法です。

多くのユーザーが「飛行許可を取ったのに、いざ散布しようとしたら使う予定の農薬が空中散布用として登録されていなかった」というトラブルに直面しています。SNSやQ&Aサイトでも、「ドローンの許可は行政書士に頼んで通ったけど、農薬の方がダメだった」という趣旨の投稿が複数確認されました(X、2026年8月現在)。

農薬取締法では、空中散布(ドローンやヘリコプターによる散布)に使用する農薬は、農林水産省の登録において「空中散布用」として登録されている必要があります。この確認は、農薬のラベルや登録番号でチェックできます。もし登録されていない農薬をドローンで散布すると、法律違反になりますので、飛行許可の有無以前の問題です。

この点、航空法の許可申請に関する多くの解説記事は「農薬取締法」にほとんど触れていません。ドローンを飛ばすための許可と、農薬を撒くための許可は別物だという認識を持っておくことが重要です。

自分で申請する?行政書士に依頼する?費用と手間を比較

許可申請(必要な場合)は、自力で行うか、行政書士に代行依頼するかの選択があります。ここで、それぞれの費用感と難易度を比較してみましょう。

自力申請の場合

  • 申請書類の作成に数日〜数週間(飛行マニュアルの作成や添付書類の準備がメイン)
  • DIPS2.0での入力作業:1〜2時間(機体登録含む)
  • 審査期間:標準で10営業日(国土交通省 DIPS2.0ヘルプページより)
  • 費用:手数料のみ(機体登録代など)

行政書士への代行依頼の場合

  • 費用の相場:年間で50,000円〜55,000円(税抜)程度(マゼックス、スリー・エス等の公表情報より)
  • メリット:書類作成の専門知識による差戻しリスク低減、時間節約
  • デメリット:コストがかかる。機体情報や飛行経歴など、一部の情報提供は依頼者側で必要

ただし、行政書士に依頼しても、機体登録(リモートIDの設定など)は基本的に所有者自身が行う必要があります。行政書士はあくまで「申請書類の作成・提出代行」であり、機体そのものの設定作業まではやってくれません。この点を誤解して「全部任せたのに結局自分でやることが残ってた」と不満を持つ声もSNSでは見受けられました。代行を検討する際は、契約前にどこまでが依頼範囲なのかをしっかり確認しましょう。

2026年モデル対応!農業用ドローンの機体選びと申請の関係

2026年4月以降の新ルールで「承認申請不要」となるためには、型式認証を取得した機体であることが必須条件です。現在、型式認証を取得している代表的な農業用ドローンとしては、DJI Agras T50DJI Agras T25、また国産機のマゼックス 飛助シリーズやFLIGHT-AG V3などが挙げられます。

これらの機体は、国土交通省が定める安全基準をクリアしているため、新ルールの恩恵を受けやすいのが特徴です。一方、型式認証を取得していない機体(いわゆる「自作機」や海外の非認証機)を使う場合は、旧来通り承認申請が必須になりますので、機体選びの段階でこの点を考慮に入れる必要があります。

また、これらの機体は総重量が25kg未満のモデルが多く、4m以下の低空での自動散布に対応しているため、新ルールの条件に合致しやすい設計になっています。機体を購入する段階で、「この機体は型式認証を取っているか」を確認することが、その後の申請手続きの要不要を左右する最初の分かれ道と言えるでしょう。

シーズンに間に合わせる!許可申請の逆算スケジュール

農業用ドローンを導入する多くの方が気にするのは、「散布シーズンに本当に間に合うのか」という点です。ここでは、仮に承認申請が必要なケース(型式認証機でない場合など)を想定して、逆算スケジュールを考えてみましょう。

散布開始予定日から逆算したマイルストーン(目安)

  • 散布開始予定日を 5月1日 と仮定
  • 飛行許可の審査期間(標準10営業日)を考慮すると、申請提出は 4月中旬 までには済ませたい
  • 申請書類の準備(飛行マニュアル作成、経歴書作成など)に 2〜3週間 を見込む → 3月下旬 には着手開始
  • さらにその前に、操縦者の「10時間以上の飛行経験」「物件投下の経験」 が必要(航空法施行規則に基づく技能証明の要件)。この経験を積むのに 1〜2ヶ月 は見ておく必要がある

つまり、5月1日に散布を始めたいなら、遅くとも前年12月〜1月には機体を購入し、訓練を開始しておくのが現実的です。「機体を買ってから申請しよう」では、シーズンに間に合わない可能性が非常に高いです。

この点について、Q&Aサイトなどでは「申請に時間がかかりすぎて散布の適期を逃した」という趣旨の投稿が複数見られました。特に、包括申請(年間一括の申請)は一度通ればその年は安心ですが、初回の申請は特に時間に余裕を持って計画しましょう。

まとめ:最新ルールを味方につけて、スマートに農業ドローンを活用しよう

2026年4月の法改正で、農業用ドローンの農薬散布は「承認申請が原則不要」になるケースが登場しました。ただし、そのためには型式認証機の使用・25kg未満・高度4m以下・自動操縦・管理者の農地内という厳しい条件を全て満たす必要があります。

もしこれらの条件を満たせるなら、従来必要だった承認申請の手間と時間を大幅に節約できます。一方、条件を満たせない場合は、これまで通り行政書士のサポートを受けながら申請を進めるか、条件を満たせる機体や運用方法への切り替えを検討するのが良いでしょう。

いずれにせよ、機体登録と飛行計画通報は必須であり、農薬取締法による空中散布用農薬の確認も忘れてはいけません。これら一連の流れを押さえておけば、シーズン開始直前に慌てることはなくなります。

農業用ドローンの導入は、作業効率を劇的に向上させる大きなチャンスです。最新のルールを正しく理解して、ぜひスマートな農業経営に役立ててください。

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