ドローンの包括申請って、取得すればもうどこでも自由に飛ばせるようになるわけじゃないんです。実は、包括申請を取得したからといっても、絶対に飛ばせない場所がいくつかあります。そして、その中でも「やり方を工夫すれば飛ばせるケース」もあるんです。
まず、2026年7月に大きな法改正がありました。小型無人機等飛行禁止法が改正され、官公庁などの重要施設周辺の飛行禁止区域が、従来の「おおむね300メートル」から「1,000メートル」に拡大されたんです(国土交通省、2026年7月)。しかも、許可なく飛行した場合の罰則が強化され、直罰規定が新設されました。つまり、今まで以上にルールをしっかり理解しておく必要があるんです。
この記事では、包括申請の基本をおさえつつ、「包括申請を取っても飛ばせない場所・方法」と「その場合にどうすればいいのか」という実践的な情報を、2026年7月時点の最新ルールに基づいて解説していきます。ユーザーが実際にSNSやQ&Aサイトでつまずいているポイントも交えながら、包括申請をビジネスにどう活かすか、リアルな視点で見ていきましょう。
包括申請とは?基本の「キ」をおさらい
まずは、包括申請の基本的なところから確認しておきましょう。
ドローンを業務で飛ばす場合、航空法で定められた「特定飛行」に該当するときは、国土交通省の許可・承認を得る必要があります。特定飛行には、以下のようなものがあります。
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 建物などから30メートル未満での接近飛行
これらの許可には大きく分けて2種類あります。「個別申請」と「包括申請」です。
個別申請は、飛行のたびに日時や場所、経路を特定して申請する方法。一方、包括申請は、一定のルールや飛行マニュアルをあらかじめ認めてもらうことで、最長1年間、同じ条件での飛行を繰り返し許可してもらえる制度です(国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」、2025年)。
包括申請の最大のメリットは、業務の効率化です。空撮や点検、測量など、同じエリアで定期的に飛行させる仕事にはうってつけ。飛行のたびに申請書類をゼロから用意する手間が省け、天候やスケジュールの変更にも柔軟に対応できるようになります。行政書士に依頼する場合の費用相場は年間3〜5万円程度(バウンダリ行政書士法人、2025年)と言われており、回数ベースで見れば個別申請(1回3〜7万円)よりも大幅にコストを抑えられる可能性があります。
ただ、ここで誤解しがちなのが「包括申請を取れば何でもアリ」ではないという点。包括申請のルールは非常に細かく、絶対に飛ばせないケースがあるんです。
包括申請を取っても「絶対に飛ばせない」場所・ケース
包括申請の許可が下りても、以下のような場所や状況では飛行できません。これは包括申請のルールというより、航空法や他の法律が優先されるためです。
- 空港の周辺(進入表面・転移表面など)
- 高度150メートル以上の空域
- イベント(マラソン大会や花火大会など)の上空
- 高速道路や主要幹線道路の直上
- 2026年7月の法改正で拡大された重要施設周辺(官公庁、国会議事堂、最高裁判所など)の半径約1,000メートル以内
これらのエリアは、空域を管理する航空局や、イベント主催者、道路管理者など、国土交通省以外の関係者との調整が別途必要になるため、包括申請の対象外となっています(行政書士法人リーガライト、2025年)。
特に注意したいのが、2026年7月14日に施行された小型無人機等飛行禁止法の改正です。重要施設の周辺は、これまでの「おおむね300メートル」から「1,000メートル」に拡大されました(DRONE PRESS、2026年7月)。つまり、これまで飛行できていたエリアでも、新たに規制区域に含まれてしまう場所が出てきたわけです。しかも、今回の改正で直罰化された点も重要。従来は罰則の適用に警告などのプロセスがありましたが、今後は許可なく飛行すると直接罰則の対象になります。この情報は2026年7月時点の最新のもので、まだ多くの解説記事が更新されていないため、ぜひここで頭に入れておいてください。
「飛ばせない」をどう乗り越える?実は飛ばせるケースと代替策
では、これらのエリアでは絶対に飛ばせないのかと言うと、実は「方法を変えれば飛ばせる」ケースもあります。ここが包括申請の深い部分です。
ケース1:イベント上空を飛ばしたい場合
花火大会やマラソン大会の上空を撮影したい場合、包括申請では対応できません。しかし、「関係者以外立ち入り禁止エリア」を設定し、一般の人がいない状態を確保できれば、個別申請で許可が得られる可能性があります。つまり、「一般公開イベント」として開催するのではなく、「関係者限定のクローズドなイベント」として飛行計画を立てるわけです。
ケース2:重要施設周辺(1,000メートル圏内)を飛ばしたい場合
2026年7月の法改正で規制が強化されたエリアです。ただし、これらは「施設管理者の同意が得られれば」個別に許可が下りるケースがあります。たとえば、官公庁の施設点検でドローンを使う場合などは、事前に施設管理者と調整し、同意書を取得することで飛行が認められることがあります。手間はかかりますが、ゼロではないというのがポイントです。
ケース3:高速道路の直上を飛ばしたい場合
道路管理者である国土交通省や高速道路会社の許可が別途必要です。包括申請ではカバーされませんが、道路管理会社と連携した上で、「車両通行止めの時間帯」や「路肩を利用した飛行」など、安全計画を徹底することで個別に許可が下りることがあります。
このように、「包括申請で飛ばせない」=「諦める」ではなく、条件を変えたり、別の許可を取ったりするハイブリッドな運用が求められます。包括申請はあくまで「ベースの権利」であり、特殊なケースは個別申請で補う。この使い分けが、プロのドローンオペレーターには必要なんです。
包括申請の申請手続きと「つまずき」ポイント
ここからは、実際に包括申請を進める際の手順と、ユーザーがよくつまずくポイントを紹介します。
申請は、国土交通省の「DIPS 2.0」というシステムを使って行います。流れとしては、以下の通りです。
- 飛行マニュアルの作成:これが最も重要で、飛行ルールや緊急時の対応、安全管理体制を詳細に記載します。
- 申請書類の作成:飛行予定エリアや機体情報、運航管理体制をシステムに入力します。
- DIPS 2.0から申請:書類をアップロードし、申請料金を支払います。
- 審査:審査期間は通常1〜2ヶ月程度かかります(繁忙期はさらに長くなることがあります)。
- 許可証の交付:許可が下りると、包括申請の許可証が発行されます。
ここで、SNSやQ&Aサイトでよく見られる「つまずきポイント」を集計してみました(2026年7月時点のX、Yahoo!知恵袋、ミツモアの口コミなどをもとに集計)。
- 飛行マニュアルの作成が難しい:初めての申請では、何をどこまで書けばいいかわからず、何度も修正を求められるケースが多いようです。
- 申請システム(DIPS 2.0)の操作がわかりにくい:ITに詳しくないユーザーにとっては、システムの入力項目が多く、専門用語が並んでいるため戸惑うようです。
- 審査の遅延:申請が集中する時期は、審査に予想以上に時間がかかり、ビジネススケジュールに影響が出ることがあるようです。
逆に、行政書士に依頼したユーザーからは、「初めてで不安だったが丁寧に説明してもらい安心できた」「手続きがスムーズで対応が早かった」といったポジティブな声も多く見られました(ミツモア口コミ、2026年7月)。
法人がドローンを導入するなら:全体のタイムラインを把握しよう
包括申請は、ドローン導入プロセスの一部に過ぎません。法人が業務でドローンを導入する場合、以下のような流れが一般的です(KFJドローンスクール、2026年7月)。
- 機体選定・購入:業務に合った機体を選びます。
- 機体登録:航空法に基づく機体登録を実施。
- パイロットの技能証明取得:国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」の取得が必要な場合があります。
- 保険加入:第三者賠償保険への加入が必須です(特に業務では)。
- 包括申請(または個別申請)の提出:これらの準備と並行して申請を行います。
- 運用開始:すべての準備が整い、許可が下りたら、いよいよ運用開始。
この全体の流れを考慮すると、機体選定から運用開始までは、スムーズにいっても約3〜4週間程度は見ておいたほうが良さそうです(KFJドローンスクール、2026年7月)。ビジネス計画を立てる際には、このタイムラグをしっかり考慮に入れておくことが重要です。
包括申請と個別申請、どっちを選ぶべき?比較表でチェック
では最後に、包括申請と個別申請を、実務的な観点から比較してみましょう。
| 比較項目 | 包括申請(全国包括) | 個別申請 |
|---|---|---|
| 申請頻度 | 年1回(最長1年間有効) | 飛行の都度必要 |
| 飛行の柔軟性 | 高い(天候やスケジュール変更に柔軟対応) | 低い(許可された日時・場所のみ。変更は再申請) |
| 申請手間 | 低い(初期の書類作成は必要だが、運用開始後は軽減) | 高い(飛行のたびに書類作成・提出が必要) |
| 必要な書類 | 飛行マニュアル(必須) | 飛行経路図、詳細な飛行計画 |
| 適用可能な飛行* | DID飛行、夜間飛行、目視外飛行、30m未満接近飛行 | 上記に加え、空港周辺、高度150m以上、イベント上空飛行なども可能 |
| 費用(代行相場) | 3〜5万円 / 年 | 3〜7万円 / 回 |
| 向いている業務 | 空撮、点検、測量など反復・継続的な業務 | 単発のイベント撮影、特殊な場所での飛行 |
*※適用可能な飛行は、航空法上の「特定飛行」に該当する場合に限ります。
この表を見るとわかるように、包括申請は「継続的な業務」のための武器であり、すべてをカバーする万能薬ではありません。「毎月同じエリアで点検飛行をする」というようなケースでは大きな効果を発揮しますが、「年に一度の花火大会を撮影する」というような単発の仕事では、個別申請で十分な場合が多いでしょう。
2026年7月の法改正を踏まえた包括申請の今後
2026年7月の法改正で、重要施設周辺の規制が強化され、直罰化が導入されました。これは包括申請を検討している事業者にとって、「申請を取って終わり」ではなく、「運用ルールを常に最新に保つ」ことが求められる時代になったことを意味しています。
今後は、包括申請を取得していても、飛行計画を立てる段階で「このエリアは法改正前は飛ばせたけど、今は1,000メートル圏内だから飛ばせない」という判断が求められます。地図情報をこまめにチェックし、施設管理者との連絡を密に取る習慣が、これまで以上に重要になるでしょう。
包括申請は、正しく理解し、使いこなせば非常に強力なツールです。この記事で紹介した「飛ばせない場所の把握」と「代替策の検討」をぜひ実践に活かしてみてください。そして、どうしてもわからない場合は、無理に自力で申請せず、行政書士などの専門家に相談するのも一つの賢い選択です。安全で効率的なドローンライフを、最新のルールを味方につけて実現していきましょう。

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