ドローン申請をこれから行う方、あるいは申請して補正指示が返ってきて困っている方に向けて、今すぐ確認すべきポイントを最初にまとめておきます。
2026年7月14日から、空港周辺の飛行禁止エリアが約300mから約1,000mに拡大されました。 この改正はドローン申請の内容に直結します。また、同日以降の飛行計画は、DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)内の「イエローゾーン」が更新された新しいデータを必ず参照する必要があります。加えて、2026年6月30日には人口集中地区(DID)から「工業専用地域」が除外される告示も出ており、申請時の地図記載が変わっています。
つまり、多くのWeb記事で説明されている「従来のルール」だけを頼りに申請書を作ると、ほぼ確実に補正指示を受けることになります。この記事では、これらの最新情報を反映したうえで、実際に補正指示を未然に防ぐためのDIPS2.0入力の実践的なテクニックと、包括申請と個別申請の正しい使い分けを、他の記事よりも深掘りして解説します。
結論から言えば、ドローン申請をスムーズに通すためには、「2026年7月の法改正とシステム改修への対応」 と 「申請日の翌日から起算する10開庁日ルールの厳守」 の2つを徹底することが最も重要です。この2点を押さえれば、余計な補正指示のやり取りを大幅に減らせます。
2026年7月の法改正とシステム改修:ドローン申請の前提が変わった
まずは、この記事を読んでいる方の申請計画に最も影響が大きい「2026年7月」の変更点から整理します。国土交通省の公式発表に基づいた事実なので、申請書作成前に必ず頭に入れておいてください。
空港周辺の飛行禁止エリアが拡大(7月14日施行)
2026年7月14日より、小型無人機等飛行禁止法の改正に伴い、対象空港周辺の飛行禁止エリアが従来の約300メートルから約1,000メートルに拡大されました(国土交通省告示、2026年7月3日公布)。
これまで「空港から300m以上離れていれば大丈夫」と思っていた場所でも、新たに規制エリアに含まれる可能性があります。ドローン申請では、飛行予定地がこの新しい禁止エリアに該当しないかどうかを、DIPS2.0で更新された地図データで必ず確認する必要があります。
DIPS2.0のイエローゾーンデータが入替(7月6日~)
これに関連して、DIPS2.0内の「イエローゾーン」のデータ入替作業が2026年7月6日から開始されています(国土交通省、2026年7月)。2026年7月14日以降に飛行する計画を申請する場合は、新しいイエローゾーンのデータに基づいて申請書を作成しなければなりません。古いデータを参照したまま申請すると、当然ながら補正指示の対象になります。
さらに、この法改正に伴い、航空法とは別に小型無人機等飛行禁止法に基づく手続きが必要になるケースが出てきました。これまで「航空法の許可さえ取っていればOK」と思われていた空港周辺の飛行が、別の手続きを要求される可能性がある点は、特に業務で空港近くを飛行させる方は注意してください。
DID(人口集中地区)から「工業専用地域」が除外(6月30日公布)
もう一つ見逃せないのが、2026年6月30日に公布された、人口集中地区(DID)から「工業専用地域」が除外されるという告示です(国土交通省)。
これにより、工業専用地域内での飛行は、DIDに関する許可が不要になる場合があります。これまで「DIDだから申請が必要」と思っていたエリアで、申請そのものが不要になる、あるいは申請内容を簡略化できる可能性が出てきました。申請書に添付する地図の記載方法も変わるため、該当する方は国土交通省の公式ページで最新の地図表示方法を必ず確認してください。
「包括申請」と「個別申請」、あなたはどちらを選ぶべきか?
ドローン申請では大きく分けて「包括申請」と「個別申請」の2種類があります。多くの解説記事では「包括申請は1年間有効で便利」というメリットだけが強調されがちですが、実は包括申請では絶対に許可が下りない飛行内容があることをご存知でしょうか?
包括申請でカバーできるのはたったの6種類
包括申請で取得できる許可承認の種類は、航空法に定められた特定飛行のうち、人口集中地区、夜間飛行、目視外飛行、30m未満接近飛行、危険物輸送、物件投下の6つだけです(国土交通省の公式ルールに基づく)。
つまり、空港周辺での飛行、高度150m以上の飛行、イベント飛行などは、包括申請では絶対に許可が下りません。これらの飛行を行いたい場合は、必ず個別申請が必要です。
業務用か趣味かでも変わる
もう一つ重要なのが、包括申請は業務利用者しか申請できないという点です。趣味でドローンを飛ばしている方が包括申請を出すことはできません(行政書士 中島北斗氏の解説、2026年7月時点)。趣味の方は、飛行の都度、個別申請を行うしかありません。
包括申請には「立入管理措置」が必須
さらに、包括申請では原則として立入管理措置が必須です。これは「飛行中に人が立ち入らないようにする措置」のことで、具体的には補助者の配置や立入管理区画の明示が必要になります。包括申請で「補助者なし」の計画を立てるのはほぼ不可能と考えてください。
DIPS2.0入力で絶対に知っておきたい「10開庁日ルール」と補正指示を防ぐコツ
ここからは、実際にDIPS2.0で申請書を入力する際に、多くの人が引っかかる「補正指示」を未然に防ぐための実践的なテクニックを紹介します。
申請開始日の「10開庁日ルール」は盲点
DIPS2.0で申請書を作成するとき、申請日の翌日から起算して10開庁日以上空けて開始日を設定しないと、システム上でエラーにはならなくても、後日必ず補正指示が出ます(行政書士 中島北斗氏の実務解説に基づく)。
例えば、7月1日に申請した場合、翌日7月2日から起算して10開庁日(土日祝日を除く)が経過した日が、実際に申請が受理されて審査が始まる日です。この日より前に飛行開始日を設定してしまうと「審査期間が不足している」という理由で補正指示が来ます。
カレンダーを見ながら、土日祝日をしっかりと除外して日数をカウントすることが必須です。 このルールを知らずに申請して補正指示を受ける人が非常に多いので、申請書の作成前に必ず確認しましょう。
飛行経路図の作成で気をつけるべき点
補正指示で多いのが、飛行経路図や立入管理図の不備です。特に、包括申請では立入管理措置が必須なので、飛行エリアを囲む立入管理区画を地図上に明示する必要があります。
ここで注意したいのが、先述したDIDの改正です。工業専用地域がDIDから除外されたことで、そのエリアの地図上の扱いが変わりました。古い地図データをそのまま使うと、不要な立入管理区画を設定してしまい、かえって申請が複雑になることがあります。必ず国土交通省が提供する最新の地図データやDIPS2.0のシステム上で確認してください。
ユーザーが実際に困っている「補正指示」の実態
SNSやQ&Aサイトでのユーザーの声を集計すると、ドローン申請で最も多くの人がつまずいているのは、この「開始日設定のミス」と「飛行経路図の不備」の2点であることが分かりました(X、Yahoo!知恵袋、2026年7月確認)。
「DIPS2.0の入力項目が難しくて、何度も補正指示が来てしまった」「飛行経路図の作成が面倒で、結局行政書士に頼んだ」といったネガティブな声がある一方で、「包括申請を取得してからは、飛行のたびに申請しなくて良くなった」というポジティブな声も確かにあります。
つまり、包括申請は確かに便利だが、申請の初期段階でのハードルは決して低くないというのが実態です。特に、飛行場所が多岐にわたる業務用途では、包括申請のメリットは大きいですが、申請書作成時に上記のポイントを押さえておかないと、かえって手間がかかることになります。
包括申請と個別申請の「本当の」使い分け基準【比較表】
ここまでの内容を踏まえて、包括申請と個別申請の使い分けを、単なる定義ではなく、実際の運用レベルで比較してみましょう。
| 評価軸 | 包括申請 | 個別申請 | この記事ならではの補足 |
|---|---|---|---|
| 申請の手間 | 初期申請は複雑。1年間有効なので更新までは放置可。 | 飛行の都度申請が必要で手間がかかる。 | 包括申請は「飛行場所・日時を特定しない」がゆえに、飛行マニュアルによる制限が大きい点に注意。 |
| 申請可能な飛行内容 | DID、夜間、目視外、30m未満、危険物輸送、物件投下の6種目。 | 全種目(空港周辺、高度150m以上、イベント飛行を含む)。 | 見逃しがちな最重要ポイント。 包括申請ではイベント飛行は絶対に許可されない。 |
| 対象ユーザー | 業務利用者(空撮、測量、点検など)。趣味は申請不可。 | 業務・趣味問わず。 | 趣味で飛ばす人は個別申請しか選択肢がない。 |
| 立入管理措置 | 必須。補助者の配置が基本。 | 飛行内容による。必要な場合もある。 | 包括申請では「補助者なし」はほぼ不可能。 |
| 飛行場所の制限 | 日本全国が対象だが、実際には個別申請が必要な空域(空港周辺など)は除かれる。 | 特定の番地まで指定可能。 | 包括申請は「日本全国飛び放題」ではない。空港周辺や高度制限は別途個別申請が必要。 |
| 2026年7月法改正の影響 | 影響大。対象空港周辺の飛行禁止エリア拡大の影響を強く受ける。 | 影響を受けるが、飛行場所を特定するため都度の対応が可能。 | 包括申請で取得済みの許可でも、新しい禁止エリアには適用されないので注意。 |
この表からも分かるように、包括申請は確かに「年間通して使える」という利便性がありますが、「何でもできるわけではない」という制約が強くついて回ります。特にイベント飛行を予定している方は、包括申請では絶対に許可が下りないということを念頭に置いて、個別申請を検討してください。
よくある「包括申請=全国どこでもOK」の誤解を検証
ここで、一部のWeb記事に見られる「包括申請を取れば日本全国どこでも飛べる」という主張を検証しておきます。
結論から言えば、この主張は誤りです。
先述の通り、包括申請で許可される飛行種類は6つに限定されています。空港周辺やイベント飛行などは含まれません。つまり、「包括申請=全国どこでも何でもOK」ではなく、正しくは 「包括申請でカバーされる特定の飛行種類については、日本全国で1年間有効」 と理解すべきです(国土交通省の公式ルールに基づく)。
もし「日本全国どこでも飛ばしたい」のであれば、包括申請に加えて、空港周辺など該当するエリアについては別途個別申請を取得する必要があります。包括申請だけで全てをカバーできると思っていると、飛行当日に違法飛行になってしまうリスクがあるので注意してください。
ドローン申請をスムーズに通すための最終チェックリスト
ここまで長くなりましたが、最後にドローン申請で絶対に外せないポイントをチェックリスト形式でまとめておきます。
- 最新の法改正を反映しているか(2026年7月14日施行の空港周辺エリア拡大、DID除外区域の変更)
- DIPS2.0で更新されたイエローゾーンデータを参照しているか
- 申請日の翌日から10開庁日以上、開始日を空けているか
- 包括申請の場合、イベント飛行や空港周辺飛行ではないか
- 包括申請の場合、立入管理措置(補助者の配置など)を明示しているか
- 趣味の飛行の場合、個別申請で出しているか
- 飛行経路図や立入管理図に、最新の地図データを使用しているか
これらのポイントを全てクリアしていれば、補正指示のリスクは大幅に下がります。
ドローン申請はルールが頻繁に変わります。この記事で紹介した2026年7月の改正点は、特に影響が大きいので、申請書を作成する際は国土交通省の公式ページで最新情報を再確認することをおすすめします。特に、DIPS2.0のシステム上の表記や入力項目は、法改正に合わせて逐次更新されています。「去年の申請が通ったから」と過去の入力内容をそのまま使い回すのが一番危険です。
皆さんのドローン申請が、補正指示のストレスなく、スムーズに進むことを願っています。

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