ドローンを飛ばすのに「免許」って必要なの?それとも「アマチュア無線の資格」?これ、すごく混同されがちなテーマなんです。まずは結論から言いますね。ドローンを飛ばすのに「ドローン免許(無人航空機操縦者技能証明)」と「アマチュア無線技士の資格」はまったくの別物で、法律の根拠も管轄省庁も違います。どちらが必要かは、「機体が使う周波数」と「飛行目的(趣味か業務か)」で決まります。この記事では、2026年8月時点のルールに基づいて、他の記事にはない具体例や費用・期間の実務感覚、最新のDJI Avata 2のような例外ケースも含めて整理していきます。自分は資格を取らなきゃいけないのか、それとも今のままで大丈夫なのか、最後まで読めば判断できるようになりますよ。
そもそも「ドローン免許」とアマチュア無線の資格は管轄が違う
まず大前提として、「ドローン免許」と呼ばれるものは国土交通省が管轄する無人航空機操縦者技能証明です。一方、アマチュア無線技士の資格は総務省が管轄する電波法に基づく国家資格です。この時点で目的がまったく違います。ドローン免許は「航空機の安全な操縦技能」を証明するもの。アマチュア無線の資格は「電波を正しく使える知識」を証明するものです。
じゃあ、ドローンにアマチュア無線の資格が関係するのはどんな場面かというと、FPV(ファースト・パーソン・ビュー)飛行をするときです。FPVとは、ドローンに搭載したカメラの映像をゴーグルやモニターで見ながら操縦する方式。この映像を飛ばすための電波(送信機=VTX)が、ある周波数帯を使うとアマチュア無線のルールが適用されるというわけです。
アマチュア無線の資格が「必要」になるドローンと「不要」なドローンの境界線
ここが一番の混同ポイントなので、丁寧に説明しますね。
ドローンで使われる主要な周波数帯は、2.4GHz帯と5.7GHz帯(あるいは5.8GHz帯)です。このうち、5.7GHz帯や5.8GHz帯を使って映像を送信するFPVドローンは、電波法上「アマチュア無線局」に分類されるため、アマチュア無線技士の資格と開局手続きが必須になります。
一方、2.4GHz帯を使う機種は、多くが「小電力データ通信局」という免許不要の扱いになるため、無線資格は不要です。ここで大事なのが、最近のトレンド。従来「FPV=5.8GHz=資格必須」と言われてきましたが、2024年に発売された**DJI Avata 2は、なんと2.4GHz帯を使用しています。つまり、あのAvata 2でFPVを楽しむ分には、アマチュア無線の資格は不要**という例外ケースになるんです。この点は多くの上位記事がまだ十分に触れていません。
アマチュア無線技士の資格を取る場合、どれを選べばいい?
さて、5.8GHz帯のFPVドローンを飛ばすと決めた場合、どんな資格を取ればいいのでしょうか。
選択肢は主に2つです。
- 第四級アマチュア無線技士(4アマ)
- 第三級陸上特殊無線技士
ここもよく誤解されますが、趣味で飛ばすなら4アマ、業務で飛ばすなら第三級陸上特殊無線技士が基本です。なぜなら、アマチュア無線は電波法施行規則第3条において「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味」と定義されているから。賞金がかかったレースや、測量・点検などの仕事、YouTubeの広告収入が発生するような場合は「業務」とみなされるため、アマチュア無線技士では運用できません。
つまり、以下のような使い分けになります。
| 利用シーン | 該当する例 | 必要な資格の目安 |
|---|---|---|
| 個人の趣味(非営利) | 賞金なしのレースや個人練習 | 第四級アマチュア無線技士 |
| コンテンツ制作(グレーゾーン) | YouTubeに空撮映像を投稿して広告収入を得る | 第三級陸上特殊無線技士が推奨 |
| 業務・事業 | 測量、点検、農薬散布 | 第三級陸上特殊無線技士 |
第四級アマチュア無線技士の特徴
- 国家試験はCBT方式で受験可能(総務省認定のテストセンターで随時実施)
- 試験科目は「無線工学」と「電波法規」の2科目。各科目60%以上で合格です。
- 独学でも十分狙えますが、講習会を受講すれば試験が一部免除になるルートもあります(公益財団法人日本アマチュア無線振興協会JARDの講習会など)。
第三級陸上特殊無線技士の特徴
- こちらも国家試験ですが、比較的合格率が高く、公益財団法人日本無線協会の発表では例年70〜80%台で推移しています。
- こちらもCBT方式で受験が可能です。
- 業務で使う場合は、こちらの資格を取得したうえで、総務省への開局申請が必要です。
開局申請から免許交付までの流れと費用・期間
資格を取ったら終わりじゃありません。大事なのは開局申請です。ここを軽く見ていると、いざ飛ばそうと思ったらまだ書類が通っていなかった、なんてことになりかねません。
アマチュア無線局を開設するには、総務省に開設届出書を提出する必要があります。このとき、多くのドローン愛好家はJARD(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会)が行う**VTX(映像送信機)の技術基準適合証明(保証)**を利用します。
JARDの公式サイトによると、保証料金は以下の通りです(2026年8月時点の制度)。
- 1台目:5,500円
- 2台目以降:1,100円(同一機種の場合)
審査期間はおおむね2〜4週間程度かかると見られます。その後、総務省への申請から免許交付までさらに数週間(目安として30日程度)を見ておくと安心です。
意外とつまずくポイント:書類の入手
ここで、XやYahoo!知恵袋などで実際に見られたユーザーの声を紹介します(2026年8月調査)。
- 「開局申請に必要なVTXの回路図や系統図が、海外製の機体に付属していなくて入手できず、申請が止まった」という趣旨の投稿が複数確認されました。
- 「10分ごとにコールサインを送信するルールが、実際のフライト中は想像以上に手間だった」という運用面での不満も複数見られました。
- 一方で、「第三級陸上特殊無線技士の講習は難易度が低く、1日で取得できたので業務開始がスムーズだった」というポジティブな声も2件ほど確認できています。
つまり、資格を取ること自体よりも、開局申請の書類準備とコールサイン送信の運用ルールが、実際のユーザーにとっては大きなハードルになり得るということです。この点は多くの解説記事がスルーしているので、意識しておいて損はありません。
実際にかかる総費用のイメージ
ざっくりと、5.8GHz帯FPVドローンでアマチュア無線局を開設するまでにかかるお金の目安をまとめてみました。
- 国家試験受験料(4アマ):数千万円…ではなく、数千円台です(正確な金額は受験機関でご確認ください)。
- JARD保証料(1台目):5,500円
- 開局申請手数料:総務省への申請は原則無料(収入印紙が必要なケースもありますが、ドローンのアマチュア局では不要な場合が多いです)。
- もし養成講習会を受けるなら:別途数万円の受講料がかかります。
よくある「矛盾」を解決:賞金レースとYouTube収益はどこからが業務?
ここで、ネット上の情報でときどき食い違うポイントを一つ解決しておきます。
「FPVレースで賞金が出たら第三級陸上特殊が必要」という主張と、「趣味のレースなら4アマでOK」という主張、両方とも正しいんです。重要なのは金銭の発生有無。先述の電波法施行規則の定義に照らせば、賞金や業務委託料が発生する瞬間に「業務」とみなされます。
したがって、もしあなたが「趣味で始めたFPVレースで優勝して賞金をもらった」場合、そのレースがプロの興行でなければグレーゾーンではありますが、継続的に収益を得るなら第三級陸上特殊無線技士への切り替えを検討したほうが無難です。法律の解釈はケースバイケースですが、総務省の公式見解としては「金銭上の利益を目的とする場合はアマチュア局では運用できない」というスタンスです。
ドローンの資格問題、結局どうすればいい?
では、ここまでの話をまとめて、あなた自身がどう行動すればいいのかを整理します。
- 持っているドローン、または買おうとしているドローンの周波数帯を確認する
- 2.4GHz帯(例:DJI Avata 2など)→ 無線資格は不要(ドローン免許とは別に、航空法上の飛行ルールは守ってください)
- 5.7/5.8GHz帯 → アマチュア無線技士の資格+開局申請が必要
- 飛行目的を明確にする
- 純粋な趣味・非営利 → 第四級アマチュア無線技士
- 仕事・営利・収益化あり → 第三級陸上特殊無線技士
- 開局申請の書類を事前に確認する
- VTXの系統図が手元にあるか、メーカーサイトからダウンロードできるか。なければ購入前に確認したほうが無難です。
- 時間的な余裕を持つ
- JARD保証に2〜4週間、総務省審査に約30日。つまり、資格を取ってから「さあ飛ばそう」と思っても、免許が届くまでにトータルで1〜2ヶ月程度は見ておいたほうが現実的です。
DJI Avata 2という例外が示す未来
最後に、DJI Avata 2の登場は、「FPV=5.8GHz=資格必須」という図式を大きく変える可能性を秘めています。現在も2.4GHz帯のFPV機種は増えつつあり、将来的には無線資格なしでFPVを楽しめる選択肢がもっと増えるかもしれません。ただし、現時点ではまだ5.8GHz帯の機種も多く出回っていますし、中古市場ではなおさらです。自分の機体がどの帯域を使っているかは、仕様書で必ず確認するようにしてください。
この記事が、ドローンとアマチュア無線の複雑な関係を整理する一助になれば嬉しいです。ルールは変わることもありますが、少なくとも2026年8月現在の制度では、上記の判断基準でほぼ間違いありません。まずは自分の機体と目的を冷静に見極めて、必要な手続きを計画的に進めていきましょう。

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