「有人ドローン」って言葉を聞くと、空飛ぶクルマやeVTOL(電動垂直離着陸機)をイメージする人が多いと思います。でも、いざ自分が操縦するとなったときに「どんな免許が必要なの?」って疑問が出てきますよね。
結論から言うと、2026年8月時点で「有人ドローン専用の免許」というものは日本には存在しません。ですが、現行のドローン国家資格である「一等無人航空機操縦士」または「二等無人航空機操縦士」を押さえておけば、実用化が進んだときにもスムーズに対応できる可能性が高いです。
特に2025年12月には、民間資格による飛行許可申請の優遇措置が完全に廃止されました。今はビジネスでドローンを飛ばすなら国家資格がほぼ必須の時代。有人ドローンの将来を見据えるなら、なおさらこの流れを無視できません。
この記事では、今すぐ取れる国家資格の最新情報から、有人ドローン運航を想定した場合の資格の選び方、更新制度の落とし穴まで、実際のデータをもとに徹底解説していきます。
有人ドローンの免許に関する現状と法制度のいま
まず大前提として、日本の航空法は「無人航空機」を「人が搭乗しないで飛行させることができる航空機」と定義しています。有人ドローンは人が搭乗するので、この定義には当てはまりません。
じゃあ何の法律に基づくのかというと、現時点ではっきりとした公式見解を確認できる一次ソースが見つけられていません。ヘリコプターと同じ「航空機」扱いになる可能性もありますし、新たなカテゴリーが作られる可能性もあります。
ただ、国土交通省は2022年から「有人ドローンの安全確保に向けた検討会」を立ち上げていて、少しずつルール作りが進んでいるのは確かです。とはいえ、専用の免許制度がまだ整備されていないのは事実なので、「まずは現行の国家資格を取っておく」というのが現実的な選択肢になります。
有人ドローンを想定した場合の資格選びのポイント
有人ドローンを飛ばすときに、一等と二等のどちらを取るべきか。この判断は結構重要です。
一等無人航空機操縦士は、有人地帯での目視外飛行(いわゆるレベル4飛行)まで認められています。有人ドローンは都市部での移動手段としての利用が想定されるので、有人地帯を飛行する可能性が高い。そう考えると、一等を取っておくのが無難でしょう。
一方の二等無人航空機操縦士は、無人地帯での目視外飛行(レベル3.5)までが対応範囲。私有地や離島、災害時の物資輸送など、人があまりいないエリアでの試験運用なら二等でも要件を満たせる可能性があります。
実際の取得費用をスクールの公表情報から見てみると、初学者で一等が約30万円〜50万円、二等が約15万円〜30万円というのが相場です(ヒューマンアカデミー ドローンスクール調べ、2026年7月公表)。経験者コースを選べば、一等でも約15万円〜30万円まで抑えられるので、すでに何かしらの操縦経験がある人はそちらを検討する価値があります。
実はややこしい!国家資格の更新制度とタイミングの罠
ここが多くの人が見落としがちなポイントです。
無人航空機操縦士の技能証明(いわゆる国家資格)の有効期間は3年間。更新申請はDIPS 2.0というシステムを使って、満了日の6ヶ月前から1ヶ月前までに行わなければなりません(KFJドローンスクールの解説より、2026年7月)。
更新講習自体は満了日の9ヶ月前から受講できるんですが、ここで落とし穴があります。修了証明書の有効期限は3ヶ月なんです。つまり、あまりに早く講習を受けてしまうと、いざ更新申請するときに証明書の有効期限が切れている可能性がある。逆にギリギリだと講習が埋まっていて受けられないリスクも。
有人ドローンの実用化がいつになるかはまだ不透明ですが、資格の有効期限を意識しながら計画的に更新していくことが、長くこの分野で活動するためには欠かせません。更新手数料は2,850円、登録免許税が3,000円かかる点も頭に入れておきましょう(KFJドローンスクール、2026年7月)。
スクール費用の「謎の幅」を解き明かす
さっきも触れたように、スクール費用は一等で30万円〜50万円とかなり幅があります。この差はどこから来るのか。
主な要因は以下の3つです。
1. 初学者か経験者か:まったくの初心者向けのコースは座学や実技の時間が多く取られる分、料金が高くなります。すでにドローンの操縦経験がある人向けの短期集中コースはその半額くらいになることも。
2. 学科試験対策の有無:学科対策を別途有料オプションにしているスクールと、すべて込みのスクールがあります。
3. 法人向け助成金の活用有無:これはスクールではなく受講者側の条件ですが、法人の場合、最大75%の助成金が適用されることがあります。個人で受講するより法人経由のほうが実質負担が大幅に下がるケースもあるので、会社で資格取得を検討している人は経理や総務と相談してみる価値があります。
ヘリコプター免許とドローン免許、どっちを取るべき?
有人ドローンが「航空機」扱いになる可能性を考えると、「じゃあヘリコプターの免許を取ったほうがいいの?」という疑問が出てきます。
結論としては、まずはドローンの国家資格を優先するのが現実的です。理由は単純で、ヘリコプターの操縦士資格(回転翼航空機操縦士)は取得に数百万円単位の費用と数百時間のフライト時間が必要で、ハードルが桁違いに高いからです。
一方、ドローンの国家資格は数十万円と比較的手が届きやすい価格帯ですし、有人ドローンが実用化されたとしても、おそらく完全な有人機扱いではなく、無人航空機に近いルールが適用される可能性が高いと見られています。
もちろん、最終的に航空会社のパイロットを目指すような人は別ですが、「有人ドローンの操縦者になりたい」というレベルであれば、現時点ではドローン国家資格が最もコスパの良い選択肢でしょう。
2025年12月の制度改正で何が変わった?
見逃せないのが、2025年12月に行われた民間資格の扱い変更です。
それまでは、民間のドローン資格を持っていると、飛行許可申請の際に一部の書類が簡略化される優遇措置がありました。しかしこの制度が2025年12月をもって完全に廃止されました(ヒューマンアカデミー ドローンスクールの解説、2026年7月公表)。
現在はビジネス用途でドローンを飛ばす場合、国家資格(二等以上)の取得が事実上の必須条件となっています。ドローン安全大学校の2026年2月の資料でも、この点が明確に指摘されています。
有人ドローンの世界でも、同じような流れになる可能性は十分に考えられます。「民間資格でいいや」と油断していると、いざ実用化が進んだときに資格が足りずに飛ばせない——そんな事態を避けるためにも、今のうちに国家資格を取っておくのが賢明です。
有人ドローンの免許に関する今後の見通し
ここからは予測になりますが、今後の法整備の流れを考えてみましょう。
おそらく、既存の無人航空機操縦士制度をベースにしながら、有人特有の要素(搭乗者の安全確保、緊急時の対応など)を追加する形で制度が作られる可能性が高いと見られます。完全にゼロから新しい免許制度を作るより、現行制度を拡張するほうがスピード感があるからです。
また、自動運転(操縦者が搭乗しない)の場合と、手動操縦(操縦者が搭乗)の場合で必要な資格が変わる可能性もあります。完全自動運転なら遠隔操作の資格で済むけど、搭乗して操縦するならより高度な資格が必要——といった区分けがされるかもしれません。
ただ、これらはあくまで現時点での推測です。国土交通省の公式発表をこまめにチェックする習慣をつけておくことをおすすめします。
有人ドローンの実用化に向けて今できること
いろいろと複雑な話をしてきましたが、結局のところ「今、何をすべきか」をまとめます。
まずは一等無人航空機操縦士の取得を目標にしましょう。費用はかかりますが、有人地帯での飛行までカバーできる唯一の資格です。助成金を活用できれば実質負担はかなり減らせます。
次に、更新スケジュールを計画的に管理する習慣をつけること。資格を取ったら終わりではなく、3年ごとの更新が待っています。満了日の9ヶ月前から動き出すのが理想的なタイミングです。
そして、情報収集を怠らないこと。有人ドローンの法整備はこれから本格化するフェーズです。この分野に関わるつもりなら、ニュースや国土交通省の発表をチェックするのが日課になってもいいくらいです。
有人ドローンはまだ未来の話に思えるかもしれませんが、法制度の土台はもう動き始めています。「免許ができるのを待つ」のではなく、「今ある資格を取っておく」こと。それが結果的に最短ルートになるはずです。

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